欲しいのは塩化ナトリウムではなくてミネラル

有機野菜や無農薬野菜など、ふつうに売られている野菜とは違うものを購入されている方は、おそらく野菜だけではなく口に入れるものほとんどについて気をつけておられると思います。
野菜だけ健康志向では意味がありませんから。
私は野菜農家としてはプロですのでほかの食材については詳しいわけではありませんが、持っている知識の中のごく一部、塩について今回は書いていきたいと思います。
参考になれば幸いです。
 

塩は体に必要なもの

梅干し
運動は体の代謝を盛んにしてくれます。
汗は体温を下げてくれるし、体内にたまった毒素をナトリウムイオンにくっつけて外に出してくれます。
だから、汗や尿の中には塩分がたくさん含まれているわけです。
そうやって汗や尿で塩分と毒素を体外に出してしまうので、運動すると塩分が不足するのです。
最近では運動して汗をかいたときには塩分をとるようにしなさいという考えが浸透してきているので、なんとなくわかってもらえると思います。

ここで問題にしたいのは塩分ならどんなものでもいいのかということ。
人体が必要としているのは塩化ナトリウムだけではなく、塩に含まれているミネラルだということを理解しなければなりません。
 

欲しいのは塩化ナトリウムではなくミネラル

人体を構成している元素は54種類が確認されています。
多い順に酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%、カルシウム、リン、イオウ、カリウム、塩素、マグネシウム、鉄、亜鉛・・・・。
これら元素はどんなに微量であっても、少しでも足りなければ生命活動に支障をきたしてしまうのです。
海水から作られた自然塩にはこれらのミネラルが豊富に含まれています。
おもしろいことに、海水の成分を調べてみると人の体液に成分が非常によく似ているのです。
地球上の生物の始まりは海からだったというのはこういうことからも納得できます。
だから塩分を摂るというのは、ミネラルを補給するということでもあり体液の成分バランスを整えるということでもあるんです。
しかし、塩化ナトリウム99%以上の化学的に精製された”精製塩”ではミネラルを摂ることはできないので、運動後に体内に入れたところで何の効果もありません。

体が必要としているのは塩化ナトリウムではなくミネラルだからです。
もちろん運動時に限らず生きていくためには塩は必要ですが、ついこの間までは自然塩の製造を禁止されていたんです。
戦後から1997年4月に塩の専売制が撤廃されるまで約50年間は塩の自由な製造・輸入・販売が禁止されていて、流通されていたのはほとんどが精製塩でした。
だから戦後以降、専売制によって日本人はこの「自然塩」の希少ミネラルを摂取できなくなり、アトピーなどのアレルギー症、高血圧症、糖尿病、うつ病、ガンなどのいわゆる「現代病」がでてくるようになったのだと主張する研究者もいるくらいです。

ミネラルを豊富に含んだ“本当の自然塩”を健康維持のために、体外排出された塩分補充のために食べていただきたいものです。

 

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