さて、それでは品種とはいったいなんなのか。
品種が違うとはどういうことなのか、について説明していきます。
品種について簡潔に説明すると
同じ種のなかで、異なる性質をもっているものを別個体として分類したもの
ということなんですが、たとえば
地球には人間という種がいますが、肌の色で分類すると白人種、国人種、黄色人種、赤色人種、茶色人種といういくつかの種に分類されています。
別の分類として、人類の進化系統を考慮した遺伝的な分類「モンゴロイド、ネグロイド、コーカソイド・・・」というような種の分類もあります。
まあ、たとえ話なので簡潔に日本人、インド人、アメリカ人というような分類を考えるといいんですが、この日本人・インド人・アメリカ人という分類が、おそらく「男爵、メークイン、キタアカリ」というような品種にあたるんですね。
同じ人間なんだけど見た目が違う、性質や気質が違う。
という分類です。
そして、分類された種それぞれには、気候条件などから適応したそれぞれの性質があります。
とにかく太陽が照りつけて暑い赤道に近いところに住んでいる人たちは、紫外線から肌を守るための防御反応が強く肌が黒い。
生き物が豊富で植物の生長が早い地域なので、農業生産力が高くなり食料に困らないから争い事が起こりにくい、よっておおらかで楽観的な傾向が強い。
反対に赤道から離れて寒さの厳しい地域に住んでいる人たちは、紫外線が弱い地域だから必然的に肌の色が白くなる。
生き物の生存が難しい地域だから食料生産力が弱く、生存競争としての争い事が起こりやすい、他を警戒して自己防衛しようとする傾向が強い。
気候も違えば食習慣も違うところで育ってきているから、肌の色や背の高さは違ってくるし、よそ者に対する気質的な反応も違う。
食習慣が違うということは牛乳を飲むとお腹をこわしやすい人が多かったり、特定のがんにかかりやすい人が多かったり、というような人種によるはっきりとした差が出たりするわけです。
さて、これは野菜の品種についても言えることです。
見た目にあきらかな違いがあるものから、見た目はほとんど変わらないんだけど特定の病気に対するかかりにくさが違うもの、収穫できる数がやたらと多いもの、などバラエティ豊かな品種が生み出されています。
ここで、生み出されていると書いたことが非常に重要です。
人間の場合の人種というのは気候や地域によって自然に変化してきた結果ですが、野菜の品種というのはほとんどの場合、人の手によって、人の意志によって生み出された品種なんです。
つまり、ある明確な意思を持って、このような品種がつくりたいから、という目標をもって作り出されているということです。