アイコ
子どもの好きな野菜ランキングで上位に食い込むことが多いのがトマトですが、一方で嫌いな野菜ランキングでも上位に入ってくるという不思議な野菜です。
嫌いな理由としては
食感、舌触りがいや
酸っぱいのがいや
といった理由が大半を占めているようです。好きな子どもがいる一方で嫌いな子どもがいる、これは野菜をお届けする販売者にとっては頭の痛い問題なんです。
松本自然農園では、種類おまかせの野菜セットという形で販売をしています。その内容は、小さな子どもがいる家庭に向けて、そのような家庭で野菜が食べられることを想定しながら野菜の種類を決めています。
トマトに関しては、子どもはきっとトマトが好きに違いない、とある意味決めつけたような感じでお届けすることがほとんどです。もちろん、トマトが嫌いであればお申し出に沿って別の野菜に変更することもできますが、基本的には好きだという想定でトマトを発送しています。いまのところトマトが嫌いだから他の野菜を、と言われたことは一度もありませんが。
とはいえ。野菜嫌いランキング上位にも入るトマトをどう考えるか、これは難しいところです。
品種によって解消される嫌い要素
トマト嫌いの要因の多くは、食感と酸味であるということがいろいろなアンケートによって分かっています。ということは、そこを改善できればトマト嫌いが治ってしまうという可能性もあるわけです。そして、そのような改善をしているトマトがあるんです。
品種の違いによる解消です。
トマトは野菜の中でもトップクラスに入るくらい品種が多い野菜です。スーパーに並んでいるトマトは、最近はバラエティに富んでさまざまなものが並んでいますが、あんなのは全体のごく一部に過ぎません。
そもそもトマトは赤やピンクだけではありません。オレンジや黄色はもちろん、白や黒や紫、ゼブラ模様のトマトもあります。完熟しても緑色、なんてものもあります。形も大玉、中玉、ミニなどのサイズによる違いもあれば、丸型やプラム型、ピーマン型など様々です。
そんななかで、子どもが食べやすい品種ももちろんあります。
果肉が厚くて噛んだときにパリッとした食感が味わえて、ゼリーが少なめなのでジュルジュルした食感がいやな子どもも満足できて、酸味を抑えて甘みを強く全面に出している。
そんなミニトマトがあります。
アイコという品種です。家庭菜園などをされている方は知っていて当然というべきメジャーな品種ですし、有機農業をやっている方にもけっこうな割合で認知されています。そしてスーパーなどの小売店でも、アイコという名前じゃないかもしれませんがこの品種が売られていることも多くなってきました。日本のミニトマトのなかでも特に際立った特徴をもっているアイコは、だいぶ世の中に浸透してきている感じがします。
野菜嫌いの子どもたちのために、といった売り文句がついているわけではありませんが、トマトが嫌いになる要素が小さく抑えられている特徴的なミニトマトです。
このアイコが、子どものトマト嫌いを解消する助けになるかもしれない。ジュルジュル感がなくて酸っぱくなくて、甘みが強い。
このトマトなら食べられるよ~
という子どもの弾んだ声が聞けることを楽しみに、松本自然農園は1年目からずっと欠かさず毎年アイコを育て続けています。