有機野菜の宅配をやっているところは?と聞かれてまず思い浮かぶのは
らでぃっしゅぼーや
Oisix(オイシックス)
大地を守る会
の3トップですが、ほかにも無農薬野菜のミレーや生協のパルシステム、生活クラブなど挙げるときりがないくらい日本全国たくさんの宅配業者があります。
どこで購入したらいいのか迷いませんか?
こういう業者を比較したサイトなどもありますが、たとえば10社からお取り寄せして比較してみた、って言われてもそれはそのサイト管理者の体験談でしかないので、参考程度にしかならないでしょう。
そして、この業界も競争が激化してきてますから、どの業者も品質を向上させるために努力しています。
よい商品を出しているのだろうと思います。
だから、どこから買っても大差がないとも言えます。
結局のところ、あなたが御自身で各宅配会社のホームページを見るなり口コミ的なサイトで比較するなりして判断するしかないわけです。
もしくは実際に購入してみて比較するしかないわけです。
自分に相性のよいところを探すのは大変です。
一番気にするのはどこですか?
選択肢を広げてさらに悩ませてしまうようで申し訳ありませんが、当農園のような個人でやっている小さな農家から直接買う、という選択肢があることを知ってください。
日本全国には無農薬で野菜を育てて、それを野菜セットという形で宅配している小さな農家がたくさんあります。
松本自然農園もそのなかのひとつです。
そんな小さな農家から野菜を買うメリットはどこにあるのかというと
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その農家さんを信頼できるなら、それが一番の安心につながる
いくら無農薬だと言われても、それが本当かどうかは確認のしようがありません。
安心して野菜を食べるために一番大切なことは、この人だったら任せておけるという信頼できる農家を見つけることです。
詳しくは「無農薬であることは安全・安心とイコールではない」
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野菜の味を決める美味しさの4要素(新鮮、品種、栽培、旬)を満たす条件がそろっている
無農薬だからというだけで美味しいわけではなく、それぞれの野菜に合った旬の時期に適切な管理のもとで栽培されていること、味にこだわった品種改良がされているものを選んでいること、とにかく新鮮な状態でお届けできること、これらの要素を数多く満たすことができれば、野菜の美味しさは際立ってきます。
小回りがきく小さな農家はこれらすべての要素を高いレベルで満たすことが可能です。
詳しくは「野菜の美味しさを決める7つの要素」
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ただの野菜ではなくなる
田舎のじーちゃんが育ててくれた太陽をたっぷり浴びたトマトって美味しいですよね。
野菜を育てている人のことが分かると、育てられている様子が頭に浮かんだり栽培へのこだわりが見えてきて、それが野菜の美味しさにプラスされます。
野菜そのものだけじゃなくて、その野菜が持っている物語が見えるようになります。
もちろんデメリットもあって、
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栽培技術レベルが劣る
キャベツならキャベツ、トマトならトマトだけを育てている農家さんに比べると、何十種類という野菜をひとつの農家が育てることは、ひとつひとつの野菜をみれば品質の低下につながりかねません。
キャベツを育てることだけに集中している農家さんにはかなわないからです。
もちろん、その欠点をできるだけなくそうと努力はしています。
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相性のよい農家に出会いにくい
農家それぞれによって栽培技術レベルが違いますし、品種の選び方や育てる野菜のラインナップが異なりますので、どの農家から購入するかによって当たり外れが大きいです。
当たり外れというとちょっと語弊がありますけど、あなたが求めているものに合う、相性のよい農家さんというのは必ずどこかにいるんですが、その農家さんに出会えるかどうかというのが大手宅配業者から選択するよりもかなり難しいということなんです。
詳しくは「どの有機農家から野菜セットを買う?」
詳しくは「相性のよい有機農家を探すコツ」
詳しくは「有機農家を探し出す具体的な方法」
ちなみに、大手宅配業者にもメリットはあります。
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たくさんの人が利用しているから安心して購入できる
全国展開しているファミリーレストランは、東京でも名古屋でも同じものを食べることができます。
そして、知名度があるから当たり外れを気にしないで気軽に入店ことができます。
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買い手に優しいシステムが整っている
ホームページ内にある会員用ページからセットのサイズ変更やお休みなどの手続きができるなど、購入するにあたって不便がないようにしっかりとシステム化されています。
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品質にばらつきが少ない
出荷基準や規格・検品チェックなどの管理体制がしっかりしているから品質がある程度保証されています。
そしてデメリットは
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安心できるかどうかはその会社を信じられるかにかかっている
農家から直接購入するときは、その農家を信じられるかどうかで安心につながっていましたが、全国にいる多くの生産者から野菜をかき集めてくることになる大手宅配業者の場合は、野菜を育てている農家すべてを知ることはほぼ不可能なため、販売元である大手宅配業者を信じることが安心につながります。
つまり人ではなく会社を信じなければならないんです。
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中間業者であることが価格に反映されてしまう
大手宅配業者は生産者と消費者とをつなぐ中間業者なので、家庭へ直接配送している個人農家に比べると間がはいるぶん余計にコストがかかります。
また、テレビCMはもちろんインターネット検索をしたときに出てくる広告などにもかなりの広告費をかけているので、もちろんそれも商品価格に含まれます。
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野菜の味を決める美味しさの4要素(新鮮、品種、栽培、旬)を満たす条件が弱い
それぞれの野菜に合った旬の時期に適切な管理のもとで栽培されていること、味にこだわった品種改良がされているものを選んでいること、とにかく新鮮な状態でお届けできること、これらの要素に関してそれなりに満たすものはあると思います。
ただ、ひとつひとつを見ていくと小さな農家が満たしているレベルに比べると見劣りするのが現状です。
大手ファミリーレストランの料理が、小さなこだわりレストランの料理に遠く及ばないのと同じことです。
どちらから購入するのかは、あなたが大切に思っているものが何かによって決まります。
上記の比較が参考になれば幸いです。