美味しいと思える野菜を旬のなかから選ぶと健康がついてくる

ふだん食べる野菜はどんなものを選んだほうがいいんでしょうか?
健康のためにはどの野菜を食べたらいいんでしょうか?

野菜を食べることは良いことだと一般的には言われていますが、どの野菜を中心に食べたらいいのかについては語られることはありません。
カロテン、ビタミン、カルシウム、カリウム、鉄分・・・。
栄養成分は野菜ごとにしっかりと出ていますが、どの野菜をどのくらいの分量で食べたら健康にいいのか明記されていません。

それはなぜか。
1+1=2
という式が成り立つように
トマト+モロヘイヤ=栄養バランス最高
と言われないのはなぜでしょうか。
今回はそのような問いに対する話になります。

 

栄養摂取のために野菜を食べているのではない

そもそも、野菜を食べる目的はなんでしょうか?
肉でもなく魚でもなく、野菜を積極的に摂ろうとしている傾向が日本社会にはあるように感じます。
これは目的があってわざわざ野菜を選んでいるんです。
もちろん皆さんはそれを知っています。
知っているからこそ野菜を選んでいます。

人によって野菜を食べる目的はすこし違ったりしますが、だいたい共通しているのは
美容や健康を意識しているから
ダイエット、病気改善などのため

といった目的です。
野菜を食べると体にいい、ということを知っているからこそ積極的に食べるんだと思います。
もちろん美味しいから食べるという方もたくさんおられるでしょうけど、それでも頭の片隅には健康を意識しているところがあるはずです。

だからこそ。
栄養成分を気にします。
ビタミンがどれくらい含まれているだとか、カロテンは免疫力アップに効果があるからいいんだとか、鉄分がしっかりとれていると疲れにくくなるとか。
そういった情報を気にして、栄養価が高い野菜を、必要な栄養素が含まれている野菜を選ぼうとします。

でも。
野菜を食べること = 栄養素を摂ること
ではありません。
食べているのは野菜であって、ビタミンを食べているわけではないからです。
ビタミンだけを食べているわけではなく、ビタミンやカルシウム、鉄分など色々な栄養素を含んだ野菜を食べています。
栄養素だけを選んで摂りたいのであれば、サプリメントで充分です。

 

トヨタMIRAI

たとえば。
車を買うときのことを考えてみてください。
燃費のいい車種を探しているとして。
たくさんある車のなかから最も燃費性能の高い車を選ぶ、という方もなかにはいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方は燃費だけで車を決めたりしないですよね。
見た目だったり、乗り心地だったり、安全性能だったり、走行性能だったり。
燃費も含めたいろんな要素を考慮して車を選ぶはずです。
たとえ燃費のいい車を選んだつもりでも、乗り心地や安全性能など、ほかの要素が必ずついてくるんです。
燃費だけを取りだすことはできません。

車を買うときには様々な要素をみて選びますが、それは
燃費がいい車に乗りたい
という目的があってようやく選ぶことができるんです。
目的がなければ選ぶことができない、とも言えます。

 

美味しいから食べる、それじゃだめですか?

野菜も同じです。
健康になりたいという目的があってようやく、栄養成分を気にしながら野菜を選ぶことができます。
不足する鉄分を補いたいという目的があるからこそ、ほうれん草という野菜を選ぶことができます。
でも。
栄養素ばかりを気にしすぎるのはどうかと思うところもあります。
ロールキャベツを作りたいと思ってるのに、カロリーが低くてダイエットにいいからという理由で白菜を買ったりしませんよね。
ロール白菜も美味しいとは思いますが。

モロヘイヤは野菜の王様と呼ばれているくらい栄養価が高い野菜です。
だからといってモロヘイヤばかりを毎日山のように食べるのは正直しんどいですよね。

 

基本的には、好きなものを食べたらいいと思います。
食べて害になる野菜なんてないんですから。

栄養ないランキング首位のキュウリでも、体にはなにかしらのプラス効果をもたらします。
太陽に当てずに育てるもやしですら、美容とか健康にいいんだと言われています。
結局のところ、栄養成分がどーだとか栄養価がどーだとかは関係なく、どんな野菜を選んで食べたとしても健康にはなんらかの効果があるということになります。
もちろんその効果の程度は、食べた野菜の種類に少しは影響するでしょうけど。
とはいえ。
美味しく楽しく食べるのが一番です。
毎日山のように盛られたモロヘイヤだけを食べて続けて健康的な身体を手に入れたとしても、そんな食事は苦痛になってしまって長続きしません。
楽しく、美味しく。
結果として美容や健康がついてくる、というくらいがいいのではないかと思います。

 

個々の置かれている状況で食べたい野菜は違う

食事をする子ども

ちなみに。
美味しいと感じるものは年齢によって違います。
個人差があります。
小さい子どもは、甘いものを好む傾向がありますし、本能的に苦いものや酸っぱいものを避けようとします。
苦い=毒、酸っぱい=腐敗
というDNAからの警告があるからです。

人間社会で長く生きてきたお年寄りには、そういった本能的な部分がありません。
苦いものや酸っぱいものでも美味しいと感じます。
子どもの頃はコーヒーなんて苦いだけでまずいと思っていたのに、大人になるとその苦さがたまらなくなる。
というのは分かりやすい例です。
ほかにも。
若い頃は肉食中心だったのに、年を取るにつれて魚が好きになり、いまでは野菜ばかり食べている。
なんてこともあります。
身体が求めているものは年齢を重ねていくと変わっていくという例です。


子どもがピーマンやレタスを好んで食べないのは、それが美味しいと感じないからです。
トウモロコシや枝豆のように、美味しいと感じるならどんどん食べます。
美味しければ食べるんです。
だから。
別にピーマンを食べなくてもかまわないと思います。
無理して食べなくたって生きていけます。
ピーマンでしか得られない栄養素なんてありませんし、ピーマンを食べなければ健康になれないということもありません。
社会生活を長く経験していって、苦味や青臭さに慣れてきたら自然とピーマンなんて食べられるようになります。
「ピーマン食べないと鬼が来るぞ!」とか言ってムリヤリ食べさせることにどんな意味があるのか考えてみるべきでしょうね。

 

どんな野菜を選んだらいいのか、という問いに対して強いて答えを出すなら。
旬のものを選ぶといいでしょう。
旬を意識して野菜を選ぶと、
美味しい
安い
身体が喜ぶ
といった嬉しい悲鳴ばかりがあがります。
食べる人が美味しいと思える野菜を、旬のなかから選ぶ。
それだけで美容にも病気にも、ダイエットにも効果があるはずです。

どの野菜を食べたらいいのか分からない、と嘆いているくらいなら自分が美味しいと感じる野菜だけを食べる。
それでじゅうぶんだと思いますよ。

 

 

関連記事