子どもの野菜嫌いを治すのではなく好きを大きくする

有機だ!無農薬だ!は無関係。親は左脳で子は右脳で考える
という前回の記事で
子供は理屈で食べるのではなく感覚で食べている。
農薬がどうこう、食品添加物がどうこう、ビタミンミネラルがどうこう・・・。
そんな情報が欲しいのではなく、美味しい野菜を食べたいだけだ、という内容について書きました。
そして、すべての情報を与える必要がないのではなく、与えたほうがいい情報もあるということも書きました。
これってどういうことか分かりますか?

そもそも、子どもが野菜を食べるのは
美味しいから
理由はそれだけなんです。
ということは、シンプルに美味しい野菜を提供すればいいんですね。
そのためにやれることはなにか、と考えていくと
1.料理の腕を磨く
2.子ども好みの味付けにする
3.有機野菜を買う
4.自分で家庭菜園をやって野菜を育てる

だいたいこのような答えに行きつきます。
僕はたんなる農家にすぎませんから、料理に関してのレシピどうこうとか味付けがどうこうとか言うつもりはありません。
その視点で書かれているホームページやブログは山のようにあると思いますので、そちらを参照してください。
3番の有機野菜を買うという点について、
有機野菜=美味しい
とは限らないことを以前の記事で書きました。
有機野菜や無農薬野菜はどこで買うべきか その7 味
そちらをご覧いただければ、有機野菜だから無条件に美味しいわけではないと言っている意味がご理解いただけるはずです。
ということで、選りすぐって購入することができるなら美味しい野菜は手に入れることができます。

家庭菜園
でも、それよりももっと確実に美味しい野菜を手に入れる方法、それが家庭菜園です。
お母さんががんばって育てた野菜が、子どもにとって美味しくないわけがありませんよね。
一緒に野菜が育っていく様子を見ていれば、なおさら美味しく感じるはずです。
でも・・・うちの庭は狭いし、野菜を育てたことがないからよくわかんないし、けっこうハードル高いんじゃない?
ベランダでプランター菜園やれるのかもしれないけど、日当たり悪いからなぁ。
と思われる方もいるはず。
なにも分からない方にとっては、野菜を育てるってなにから始めたらいいの?という感じだと思います。
ひととおり道具やら苗やら揃えてしまえば、育てること自体は難しくないんですが。
お手本が近くにいる市民農園などはどうでしょう。
じつは、定年を迎えた人たちが市民農園を借りまくっているので、若い人が入り込む隙はあまりありません。
年配者にはけっこうな人気なんですよ。

家庭菜園をはじめようとすると高い壁がそびえたっているわけですね。
というわけで、子どもが野菜を好きになるための最も効果が高い方法が、じつは最も難易度が高いという問題をかかえてしまっているのが現状です。

野菜嫌い病には農家が効く

さてどうするか。
こんなときに、かかりつけ農家の出番です。
かかりつけ農家は信頼関係のたまもの
食べ物に関してなにか不安があったときに真っ先に相談できる農家、それがかかりつけ農家です。
その農家は、栽培によって野菜を美味しく育てるほかにいろいろなことができます。
子どもの関心を引くためのいろいろな技を持っています。

その野菜を育てたのは誰なのか、どんな人なのか、どんな顔をしていてどんな話し方をするのか。
写真でもいい、動画でもいい、その人が書いた文章でもいい、なんでもいいから野菜を育てているのがどんな人間なのかが子どもに伝わることで、野菜自身にも興味がわきます。

畑の見学

できれば農園に見学に行くことをお勧めします。
そうすれば確実にどんな人が野菜を育てているのか分かりますし、直接会って話をすることで距離がぐっと近づきます。
もちろん野菜にも近づきます。
オクラを食べるのが苦手という子でも、オクラがどのように育っているのかを目の当たりにすれば、
えーっ!なにこれ~!
と興味を持ちます。
そしてその場で食べる。
そうです、生で食べるんです。
オクラを。
まあ、オクラじゃなくてもいいのでトマトとかキュウリとか好きな野菜を混ぜながらピーマンも流れで食べさせてみる、とか。
とにかく目で見て、手で触れて、舌で感じて、都会とは違う周りの音を聴いて、匂いも嗅いじゃう。
五感を使って野菜に親しみを感じてもらう。
そうすることで子どもが野菜のファンになっていく可能性があります。
農家のファンになっていく可能性があります。

・・・と必ずうまくいくとは限りません。
でも、どんな人が育てているのかを知ることは、大人にとっても野菜のおいしさを増幅する手助けになります。
大人が美味しそうに食べていたら、子どもだって興味を持つようになります。

このように、もしあなたが野菜のかかりつけ農家をお持ちであれば、困ったときには相談に乗ってくれることでしょう。
あなたが購入している野菜の代金には、きっと相談料も含まれているはずです。
お試しください。

 

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